ヒロコVとゴルフ「第5話 苦しい・・・日本再出発」
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第5話
「苦しい・・・日本再出発」
13年ぶりに日本で暮らし始め、レッスン活動を始めるにあたり練習場を視察しました。
そして、とても驚きました。
インストラクターが足を組んで椅子に座り、お客さんのスイングを見ている。レッスン中、煙草を吸っているプロがいたり、女性の体にベタベタ触りながら教えるプロがいたり・・・。
「生徒さんはお客様ではないのかな・・・」と感じました。
プロがお客さんにアドバイスしているのを聞くと「スライスしていますね。インパクトでフェースをかぶせて下さい。」
えっ、そんな指導でいいの!?と驚きました。
やっと勤務する練習場が決まり一安心。でも同僚のプロたちから‟出る杭”、‟よそ者“扱い。冷たい目で見られました。
13年間のアメリカでの経験は、一体何だったのだろう・・・
それでも頑張れたのは、お客様の存在でした。一生懸命、指導をしました。するとお客様に効果が出てきます。
「これまでのプロとは違う教え方をしますね。」
「ヒロコさんのレッスンは分かりやすい。」
お客様の声に心から励まされました。下積み時代に学んだ「あなたは私の推薦状」が、ここでも私を救ってくれたのです。
アメリカで学んだ「ゴルフの楽しさを」一人でも多くの日本人に伝えたい。ゴルフ通訳、講演会、ムービーレッスン、海外のプロゴルファーの発掘・・・。やっと日本での活動も軌道に乗り始めました。
でも…
暫くして最愛の母が他界しました。
母を亡くした悲しみの前に、何もかもが遠い存在になっていきました。何もする気が起きず、ゴルフだけでなく生きる事すらも、空虚に感じました。