「第2話 アメリカ女子プロゴルフ協会インストラクター 資格に挑戦」
第2話
「目から鱗!アメリカ留学時代」
大学卒業後は、ずっと夢だったアメリカに留学をすることになりました。
長年の夢が叶い、とっても嬉しかったです。憧れのアメリカが待っている!ウキウキしました。
でも…
成田空港まで見送りに来てくれた母からの一言が、風船のように膨れていた私のウキウキ感を見事にしぼませました。
その一言とは・・・。
「ヒロコさん、今の世の中『留学して帰ってきました。』だけでは誰も振り向いてくれないわよ。
何か腕によりをかけて、戻ってきなさい。」
憧れのアメリカでの生活を満喫しながらも、その言葉がずっと心に引っかかっていました。
そうだ!まだ日本にはないゴルフインストラクターの資格を取ろう。
恐る恐る、アメリカのLPGA本部に問合せました。
当時就労ビザもない、英語も片言の日本人の女の子が突然「ライセンスを取りたい」だなんて、LPGA本部も相当困惑したと思います。
でもさすがアメリカ。チャレンジする者を受け入れてくれのですね。
就労ビザや、言葉などの問題を何とかクリアし、2度目のチャレンジで試験に合格!
やった!そう思いきや・・・
そこからがスタートでした。毎年セミナーに出席し勉強をしてノルマをこなさないと、ライセンスを剥奪されてしまいます。研修生→B級資格→A級資格と、上のレベルになるほど、そのノルマが厳しくなるのです。
やる気のある者だけが生き残れる世界。
それを実感しました。
勉強は本当に大変でしたが 未知の扉を少しずつ開いていくようでした。
例えば、LPGAの指導論。ゴルフスイングを一つの型にはめ込むのではなく、その人の個性を最大限に活かす指導なのです。
「ゴルフは失敗をするスポーツ。失敗を恐れるより失敗に耐える力をつけなさい。」
「本当の強さとは、自分の長所を認め活かすこと。他人を真似ていてはだめ。」
セミナーで教官がよく言っていた言葉です。
その人が持っている特性を引き出し、伸ばす。個性を活かすことで 人がこれほど伸びるとは…と、長所に目を向ける事での上達指導を目の当たりにしました。
怖かったゴルフが温かく愛おしいものになった、私のアメリカ留学時代です。